構造全般

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パリス則において小さな荷重でも亀裂が伝搬するのはなぜか?

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      SMARTおよびXFEM亀裂進展手法では、亀裂が伝播を開始する最小のΔKを指定するためのしきい値はありません。 以下Helpの図(図3.1)に示す通り,亀裂進展の領域として3つの領域があります。 https://ansyshelp.ansys.com/account/secured?returnurl=/Views/Secured/corp/v211/ja/ans_frac/franundcgrowmech.html パリス則da/dN = C delta(K)^mは、領域IIのみを表す式です。 つまり、領域IおよびIIIは直接的にシミュレーションしません。 図3.1で示す、亀裂が伝播を開始すると想定される最小値「Δ(K)_th」です。 グラフでは、log(ΔK)に対するda/dNをプロットします。 領域Iは直線ではないため、ここで用いられる式は対応しないことがわかります。 一般的に疲労亀裂進展で解析したいことは「破壊までのサイクル数」です。 亀裂が伝播しないような最小のΔKを調べるのではなく、任意のΔaについて、亀裂が伝播しない最大のΔNを考えます。 たとえば、ある部品の寿命が1000万サイクルである場合、任意の亀裂増分Δaについて、Ansys Mechanicalでは10億サイクルを計算し、亀裂がΔaまで進展しないと仮定できます。 つまり、パリス則を使用するため、ΔKに対するしきい値は使用しません。 しかし、パリス則の使用が対象アプリケーションに適していると仮定できる場合は、調査対象サイクル数に対して亀裂が任意量Δaだけ進展するかを判断するために、ΔNを調べることになります。